血管迷走神経反射のこと
血管迷走神経反射ってご存知でしょうか?
なんだかムツカシイ言葉ですよね。
私も社会人になってから、そんな言葉があると知りました。
そして、おそらくは、私もそうなんだろうとも。
まず、血管迷走神経というものがあります。
これは自律神経の副交感神経に分類されるものです。
心拍数や胃腸に関連する神経なので、迷走神経反射が起きると血圧や心拍数が下がります。
これだけでは、あまり実感がわきませんよね。
つまりは"何か"に誘因されて、血圧や心拍数が下がり、場合によっては失神する、という症状が起こるんです。
それでは、その"何か"とは、なんでしょうか…?
代表的なものをあげてみました。
- 過度の緊張
- 強いショック
- ストレス
- 痛み
- 排尿・排便
- 長時間立っている時
- 針などの痛みに関連するものを見た時
上記はあくまでも部分的な例ですが、みなさんも覚えがあるのではないでしょうか?
「緊張してめまいがする」
「ショックで意識が遠ざかる」
「注射で気持ち悪くなる」
私はありました。
もともとは注射も麻酔も全然平気な子どもだったんです。
病院へ行くのも嫌いじゃありませんでした。
それが、ある日インフルエンザの予防接種へ行き、副反応が出て呼吸困難になってから、注射の度に下記のような症状が出ました。
- めまい・ふらつき
- 血圧や心拍数の低下
- 失神
- 視界が狭くなる
- 視界が白くなる
- けいれん
- 耳鳴り
- 顔面蒼白
採血でも献血でも予防接種でも、なんなら医療ドラマで針を見た時にさえ気持ち悪くなりました。
視界が狭くなって、呼吸がしづらくなり、気持ち悪くなって意識を失う。
最初は「注射が嫌になったんだ」と、「子どもみたい」で恥ずかしかったです。
健康診断や予防接種の度に「注射が苦手で…」と相談するのは苦痛でした。
それで、自分自身でどうにか出来ないものかと調べに調べ、
ある日、「血管迷走神経反射」という言葉に出会ったんです。
結論としては、「自分ではどうにもできない」ものでした。
起こる時には起き、起こらない時には起こらないものだったのです。
病院で薬をもらうことも出来ますが、血圧や心拍数が下がるだけではなく、血管迷走神経反射によって「心拍が止まる」人が治療を行う目的のもののようです。
そうでない人は、基本的に「日常生活でなんとなく気をつける」という事しかできないと思います。
一日に2L以上の「水分をとる」。
体調が優れない等の予兆に気付いたら「手のひらを強く握る」「足に力を入れる」。
予防接種や採血は「横になって」行う。
長時間立ちっぱなしでのミーティングなどでは、あらかじめ「座らせて」もらう。
お風呂に入っている時「急に立ち上がらない」。
血管迷走神経反射が起きている時、というのは、脳の血流が減少している状態です。
なので、横になるか、できるだけ足と心臓の高さを近付けた状態で安静にしなければなりません。
私の場合、立っている時よりも頻度は落ちますが、座っている時にも症状が起こります。
ですので、ベストは横になること、それが出来ない時はうずくまるようにしています。
安静にしていれば、ものの数分で体調は回復します。
あまりにも普通にしていて周囲に心配されるほど、呆気なく症状は治まるのです。
ここまでで、「もしかして私も…」という方、いらっしゃったのではないでしょうか?
自覚がなかっただけで、あなたもそうかもしれません。
なんたって、世の中で起こっている失神の20%が、この迷走神経反射性失神であると言われているんですから。
もともとは生命維持のための防衛本能のはずが、まさかこんなことになるなんて、本当に人間の体とは未知なるものですね。
ちなみに、自律神経のバランスが崩れやすい高齢者になるとよく起こると言われていますので、今はそうでなくとも、加齢と共に気を付けた方が良いことなのかもしれません。
失神を軽んじていては危ないです。本当に。
階段、エスカレーター、駅のホームなどで危険なのはもちろん、平坦な場所でも、頭を打って大事につながる恐れがあります。
「もしかして」と思った方、体調に異変を感じた方は、無理をせずにすぐにしゃがんでください。
症状が思い当たる方、気になる方は、一度病院で検査を受けてみてはいかがでしょうか?