発達障害のこと
今日は少し、真面目な話を。
最近、よく聞く「発達障害」という言葉。
6月9日に東京発新大阪行きの新幹線の中で、凄惨な事件が起こりました。
男性が鉈のようなものを振るい、女性2人が重症、男性1人が死亡。
犯人と報道された男性は「誰でもよかった」と供述。
さらに男性は「自閉症であった」「発達障害であった」という報道が流れました。
軽んじているような言葉になってしまいますが、酷い事件だと思います。
あまりに唐突で、理不尽で、ぞっとする事件です。
ただ、どうしても気になってしまうのは、
メディアの「発達障害」を強調する報道のなされ方。
なぜ、こんな風にその言葉に突っかかってしまうのかといえば、
私が昨年、うつ病、社会不安障害とともに、ADHDと診断されたからでしょう。
ADHDとは、発達障害の中でも「注意欠陥」「多動性」などに支障があること。
・周りの事に気を取られて、集中できない。
・忘れっぽい。
・よく物をなくす。
・物事を順序立てて行う事が難しい。
などなど、挙げるとキリがないのですが…
上の項目を見ただけでは、ただのうっかりさんに見えてしまうかもしれません。
私の場合、しっかりとした検査は行われず、
ただ「注意欠陥」があり、そこから「社会不安障害」になり、結果的に「うつ病」になったと診断されました。
羅患されている方に失礼かもしれませんが、そのときすごくショックだったのを覚えています。
恐らく私は「家庭の問題」と「仕事のストレス」とで逃げ場がなくなり、うつ病になったんだろう、そうぼんやりと考えていました。
その状態が数ヶ月続き、仕事も手につかなくなり、家で正常で居ることができなくなり、八方塞がりになって、ようやくの受診でした。
診断に対して、ある程度の覚悟はできていたのです。
それが、まさか生まれ持っての「発達障害」と言われ、私は地面がなくなったかのように不安に駆られました。
今までの「行動」「話した内容」「考えたこと」すべてが信じられなくなったのです。
先生の話が頭に入ってこなくて、涙が止まりませんでした。
結果として、私は自身が「発達障害」であると、素直に受け取った訳ではありません。
しっかりとした診断をして、それから、と思っています。
ただ、発達障害の薬が今もなお出ているのは事実ですし、それで少し生き辛さが和らいだのも事実です。
詳しく検査を行っていないとはいえ、一度診断された事を聞かなかったことにするのは難しい。
だからこそ、最近目についてしまう「発達障害」についての報道。
長い前置きになってしまいましたが、ここまで読んでくださった方がいたとしたら、お伺いしたい。
私は異常者でしょうか?
私は犯罪者でしょうか?
両親から愛されて育ち、仲のいい兄弟に恵まれ、高校・専門学校を卒業して、今の会社に就職しました。
みなさんと、なんら変わりのない人間に思えるのです。
みなさんよりも、恵まれた人間かもしれません。
「まともに診断もされていない奴が勝手なことを」と、思われる方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、発達障害をもつ人が、犯罪者の予備軍であるというような報道には、腹が立ってならないのです。
メディアには報道する権利があります。
ですが、それが誰かの自由を阻害してもいいものなのでしょうか?
もしもこんなに長い文章を、嫌気もささずに読んでくださった方がいましたら、
そして、もしあなたの「今まで」や「現在」「これから」に、発達障害と出会う機会があれば、忘れないでいただきたいのです。
発達障害は程度に差はあれど、人とは少し違っているだけの、同じ人間であるということを。
それを踏まえた上で、その機会と向き合い、その人と向き合っていただきたいのです。
悪い人もいるかもしれません。でも良い人もいるかもしれません。
あなたのように。